野外採集(昆虫採集)に準備するもの、服装、道具類など

先日の日記「国産ミヤマクワガタの採集方法について:質問レスより」に「採集初心者さん」から以下のようなコメントがありました。

 

ミヤマクワガタ以外で他のクワガタやカブトムシを採集する際には他にあとどんな道具があれば良いのでしょうか?超初心者的な質問で大変申し訳ございませんが是非ご教授いただけませんでしょうか?

 

採集初心者さん、いつもレスありがとうございます。

今回は野外採集時に使用する道具類のことですね?
こちらも過去の記事と重複になりますが、採集道具について書いている記事がありますので、そちらをご紹介して見たいと思います。ただ過去記事と記事内容が重複してしまう事をご了承下さいませ。

 

 

今回ご紹介するのはあくまで私個人:Shihoの使用している道具等です。勿論人によっては自分に合った様々な道具が存在すると思いますので、あくまでご参考程度に読んで頂ければ幸いです。

 

 

★★服装・身なり★★

まずは道具というより、身に着けるものからご紹介したいと思います。

 

【長袖シャツ、長ズボン】

これはもう常識ですよね。自然の中には色々な虫がいます。人間の体に害を及ぼす虫も沢山存在するわけです。最近特によく聞くのが「マダニ」です。勿論マダニ以外にも蚊やアブ、ヒル、ハチ、など沢山の虫が寄ってきます。

そして虫だけではありません。草むらや木に登ったりする際に、身体を傷つける野バラや葉っぱ、木切れなど沢山の危険なものがあります。

また画像の服は少し黒っぽい服ですが、可能ならば白色に近い服だとより良いと思います。黒っぽい服はハチに狙われやすいと聞きます。

こういったものから少しでも身体を守るために肌を表に出さないように装備して出かけましょう。

 

 

【帽子】

帽子、夏の山には必需品です。夏はとても日差しが強くなります。最近は夏になるとよく熱中症で病院に運ばれる方が多数いらっしゃいますので、しっかりと帽子をかぶって対策をしましょう。また帽子は日差し対策だけではなく、頭を防護してくるという役目ももっています。

ちなみに帽子についても服装同様に黒っぽいものよりも白っぽいものの方がお勧めです。スズメバチ等は黒い色合いに対して攻撃してくる習性があると聞いていますので。。。

 

【手袋】

手袋、これも必需品ですよね。野外の草木は思ったより鋭くてすぐに手が切れてしまいます。普通の軍手でもよいのですが、この画像の手袋は手のひらの部分がゴムで覆われている頑丈なタイプです。これならば多少のものならば安心して掴むことが出来ます。

 

【長靴】

長靴。草むらには様々なものが潜んでいます。その代表格がヘビの「マムシ」です。近づいた覚えがなくても気づかずにそのテリトリーに入ってしまって攻撃を受けてしまう例は数えきれないほどあります。そういった意味でも長靴は必需品です。この画像の長靴はひざのすぐ下あたりまでくるタイプです。でもいくら長靴を 履いているとはいえ、注意は絶対必要です。襲われないことにこしたことはありませんからね。

 

【タオル】

タオル。これは言われなくても皆さん身に着けていくと思います。私は長めに折りたたんで首と服の回りに埋め込んで、首の隙間からの虫や草などの侵入を防ぎます。勿論、汗も吸い取ってくれるので、これも必需品でしょう。

 

【胴長】
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胴長。
これは必ず準備しなければいけないというものではありません。ただ採集フィールドには川があることが多く、その川の反対側にも虫が集まる木が存在する場合、そこに行くには川を横切らなければなりません。

その時に活躍するのがこの「胴長」です。今回ご紹介している胴長は胸元までガードするタイプですので、川の水深がそこまで深くなければ渡り切ることが出来ます。

でも注意が必要です。採集時(6~8月)の天候は梅雨時期と重なって、雨が多い時期ですので、水深が浅く、膝位でも水量次第ではかなりの水圧がかかります。そんな時は「ここは浅いから大丈夫だ」と思うのは早計と考えます。水の勢いが激しい時は川を渡るのは止めた方が無難でしょう。

 

 

 

★★採集道具★★

 

次に私が日頃使っている採集道具をご紹介したいと思います。

 

【補虫網(径大)】

虫とり網です。よく100円ショップでも売られている大き目の網です。
こういう大きい網で捕獲する場合は、くっついている樹の下に網を受け皿のようにして置き、その上で網のへりで樹を揺すります。そうすれば振動を感知した虫が落ちてきて下にある大きな網に入る・・・そういう採り方をすれば良いかと思います。

 

 

【補虫網(径小)】

上記網は私の手作り。4~5mの釣竿の先に幅15cm位のエビ取り用網をつけたもの。小さなエビ取り網の方が、 枝が分かれている間にいた時などの隙間に入り込みやすいので便利。なかり長く伸ばせることが出来ます。ルッキング採集の場合には必需品。

【懐中電灯(大)】

懐中電灯(大)です。結構大き目の懐中電灯で、光の強さも強く、かなり遠くまで光が届きます。暗い所で回りを照らしたり、灯火採集の際にとても重宝します。

 

【懐中電灯(小):ペンライトタイプ】

こ ちらも懐中電灯ですが、小さいペンライトタイプです。大きさは15cm程度。このライトは主に樹のウロ(穴)の中を照らす時に使用します。オオクワガタ、 ヒラタクワガタ、コクワガタ、スジクワガタ、ネブトクワガタなどのウロや樹皮裏などに潜むクワガタの発見に重宝します。

 

【掻き出し棒】

通称:掻き出し棒:これで樹のウロの中や樹皮裏を探ります。ウロや樹皮裏などに潜むクワガタを発見する時には、これは絶対必需品!

 

 

【ラジオペンチ】

主にウロの中にいるクワガタを採集する際に使用します。先が真っすぐな物と、鍵状になっている物と2種類あるとより便利です。ウロの中のクワガタの顎を掴み、これで引っ張りだす事ができます。しかし結構力が入りすぎる場合がある為、引っ張る時はある程度の加減が必要。必要以上に力を入れるとクワガタのアゴなどが折れてしまうのでご注意を。

 

【スコップ】

ハンドスコップ。日中に樹の根本などに潜っているカブトムシなどを掘り起こして捕まえる時に使用します。

 

【脚立】

樹の高い所に登る時に使用します。樹のウロが手の届かないような高い場所にあった時、そーっと脚立を立てて静かに上ってウロを見ます。

 

 

【採集ケース(ルアーケース)】

小さなマスに一頭ずつ入れます。入れられる数は限られていますが、個別に仕切られている為にお互いに噛み合うなどの喧嘩の心配はありません。一頭一頭をきれいな状態で捕獲したい時には便利。

 

【採集ケース(虫カゴタイプ)】

まとめて大量に入れることが出来ますが、ルアーケースのように仕切りがない為、中で噛み合いや喧嘩が起こる可能性があります。それでも大量に入れられるのは便利ですね。

 

 

★★予防薬★★

いくら完全防備をしているからといっても、やはり虫などに刺される場合があります。そんな時の為に私は以下のようなものを常備持っていくようにしております。

 

【虫よけスプレー、虫さされ薬】

虫よけスプレー(右2つ)、虫さされ薬(左)です。最近「マダニ」などで騒がれているように虫よけ対策は必要だと考えます。右2つの虫よけスプレーはマダニ対策にも適応したものらしいです。強力タイプ。

そしてそれでも刺された場合には、左の虫刺され薬を・・・。持っていれば安心ですので、なるべく常備するように心がけましょう。

 

【目薬】

目薬。これ結構必需品です。
採集に行くと、なぜか必ず小さいコバエみたいなものが顔の回りにまとわりついてきて、スキあらば目の中に入ろうとするんです。ナゼなのか理由は分かりませんが、これがかなりやっかい。何度目の中に入られて嫌な思いをしたことか・・・。そういう時には目薬は必需品です。目に入った虫を排除した後に消毒するようなかんじで目薬をつけるようにしています。

 

 

 

★★水分&塩分補給★★

野外採集に行くときには、必ず水分補給や塩分補給が必要になります。日本の夏は30℃をも軽く超える炎天下になります。野外採集はとても楽しく、夢中になり気がつかないうちに水分や塩分がどんどん失われていきます。それらが不足してくると熱中症などを引き起こす原因にもなりますので、注意が必要です。こまめな水分補給、塩分補給を心がけるようにしましょう。

 

【水分&塩分補給用】

私がよく持っていく補給用品です。
こまめな水分&塩分補給は絶対必要です。

 

 

如何でしたでしょうか?採集初心者さん。
上記が私が採集に持っていく際の主な道具類です。全てを用意しなければならないというわけでは御座いません。胴長や脚立などは持っていくことも大変なので、そこは個人のお好みで・・・。しっかりと安全対策をして、野外採集を楽しみましょう。(^^)/

 

※上記採集用具はあくまでShiho個人のお勧めです。絶対に用意しなければならないというわけでは御座いません。ご参考程度に読んで頂ければ幸いです。m(_ _)m

 

 

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7 Comments »

  1. 昆虫採集、懐かしいです。 子供の頃は、やみくもに出掛けては、空振りも多かった記憶があります。やはり、周到な準備が必要なのですね。 少し早いですが、4月にもしかしたらカブ・クワに出会えるかもしれない機会があります。小笠原旅行なのです。現地には3泊、船中2泊の予定で、ダイビングやホエールウォッチングが主な目的ですが、合間に現地で1日山岳地帯のアドベンチャーツアーを予定しています。その時期、活動している甲虫類、いるのかな。 当然、固有種ばかりでしょうから、採集持ち帰りは出来ないと思いますし、たとえ持ち帰れても飼育情報がほぼ無い状況では無駄に死なせてしまい可哀想ですので、現地でルッキングだけで愛でてあげることになるかと思います。 唯一の懸念は天候です。 東京から世界で一番時間がかかる所(船で片道25時間)で、中々行く機会もない(私は2回目ですが)ので、運よく晴れると良いのですが。 まだ時間があるので、情報を集めているところです。運よくカブ・クワに出会えたら、また御報告しますね。

    Comment by Puffin — 2016年3月14日 @ 2:13 PM

  2. ご返答ありがとうございました。こうしてみるとなかなか揃えるものが結構ありそうですね。質問なのですが、この記事の中で出てくる用品 搔き出し棒 とはどういったものなのでしょうか?そういった品がホームセンターなどでも販売されているのでしょうか?それと脚立ですがどれぐらいの長さのものが必要でしょうか?素人質問ばかりで大変申し訳ございません。なにぶん初めてのことばかりなので右も左もわからないのが正直なところです。教えていただければ大変助かります。よろしくお願いします。

    Comment by 採集初心者 — 2016年3月14日 @ 10:37 PM

  3. Puffinさん 採集初心者さん いつもレスありがとうございます。 Puffinさん、採集初心者さんの今回の返答については、3/15の飼育日記内にて書いております。 宜しければそちらをご覧頂ければ幸いです。 よろしくお願い致します。 飼育日記担当:Shiho

    Comment by tsukiyono — 2016年3月15日 @ 9:58 AM

  4. たいへん参考になりました。 特に灯火採集を含め、八歳の孫が虫取りが何よりも好きで、昼となく夜となく付き合いますが、服装、保護手袋、長靴の準備不足です。通販購入などの良いものを紹介していただければ助かるのですが、教えていただけませんか。

    Comment by 藤原幸一 — 2016年8月22日 @ 11:05 PM

  5. 藤原幸一さん ご質問ありがとうございました。 飼育日記担当のShihoと申します。 よろしくお願い致します。 ご質問にもありました、採集道具ですが、大変申し訳ございませんが、私も通販で販売しているのは認知しておりません。 しかし特に通販でなくても、服装、保護手袋、長靴ならばお近くのホームセンター等でも十分に入手可能だと思います。 直接見て買う事が出来れば、サイズ違いや使い勝手などもチェックして購入しすることが出来るので、通販よりは間違いが少なくて良いと考えます。 どんなのを選ぶかと言うのは、大体は日記上に書いているようなものを選べば良いと思いますが、ここで改めて申し上げるならば、 服装:全体的に黒色系は避け、メッシュ素材ものも避けた方が良いと感じます。黒色はスズメバチなどから攻撃されやすく、またメッシュ素材のものは通気性ではとても優れていますが、野バラ等のトゲ類に引っかかりやすく、また中まで突き刺してしまう可能性が高いです。 白色系の綿タイプの服装が個人的にはお勧めだです。 保護手袋:こちらも通常の通気性の高い軍手ではなく、手のひら等がしっかりとゴムで保護されているものが望ましいです。上記の服装と同じようにトゲなどを通しにくくするためです。 長靴:クワガタ採集では木を蹴る事も多いので、靴底のゴムが分厚い頑丈なものをお勧めします。また丈の長さもある程度(膝下位まで)あった方が、草むらに潜むマムシなどから身を守れると考えます。 大体このような感じでしょうか。 服装、保護手袋、長靴に関しましては、実際私も地元のホームセンターで買っています。 どれも置いていて、私が通うホームセンターでは一箇所で全て揃えることが出来ますので、藤原幸一さんのお住まいの近くのある程度大きなホームセンターであれば、揃う可能性も高いのではないかと思います。 お孫さん可愛いですね。 ご一緒に採集羨ましい限りです。 是非安全な身なりを用意して、採集を楽しんで下さいね。 ご質問ありがとうございました。 飼育日記担当:Shiho

    Comment by tsukiyono — 2016年8月23日 @ 12:48 PM

  6. ハエや蚊が目に来るのは、奴らは産卵場所が水なので水分が多い目に飛び込んでくるらしいですね。

    Comment by Chiku — 2019年9月25日 @ 12:53 AM

  7. Chikuさん

    ※大変申し訳ございません。
    HPの不具合でコメントの表示&返信が出来ない現象が起こっておりました。
    本日(10/16)完全ではないですが、一部復旧しましたので、大変遅くなりましたがコメント返信をさせて頂きました。
    本当に申し訳ございませんでした。深くお詫び申し上げます。。

    レスありがとうございます。

    そうなのですね、存じ上げませんでした。
    大変勉強になりました、コメントありがとうございます!^^

    ご返信が遅れまして大変申し訳ございませんでした。

    飼育日記担当:Shiho

    Comment by tsukiyono — 2019年10月16日 @ 6:57 PM

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2016年3月11日

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